2025年11月5日
老後
【FP解説】25歳の貯金事情を徹底解説!平均額から実践的な貯金方法まで

25歳は、まだまだ大人の入口です。「お金をどのように管理すれば良いのか分からない」「将来が不安。貯金はどのくらい必要なの?」と戸惑いながら生活している人は多いでしょう。この記事では、25歳の貯金事情を解説し、毎月の収入からどれだけ生活費を使えるのか、将来のためにどのくらい貯金すれば良いかを実践的に紹介します。貯金額を増やすための具体的な方法もご案内するため、ぜひお役立てください。

25歳の平均貯金額と実態を知る

金融経済教育推進機構が継続して行っている「家計の金融行動に関する世論調査」より、年代別の貯金事情を知ることができます。2024年の調査では、以下のような結果となりました。

【年代別の平均金融資産保有額※】

年代

平均金額

中央値

20歳代

212万円

26万円

30歳代

604万円

140万円

40歳代

929万円

200万円

50歳代

1,147万円

200万円

60歳代

1,929万円

550万円

70歳代

1,830万円

650万円

※金融資産保有額…預貯金だけでなく、保険、個人年金、債券、株式、投資信託等も含めた金融資産の全体額

出典:家計の金融行動に関する世論調査(2024年)総世帯各種分類別データ

25歳を含む20歳代では、金融資産保有額の平均額が212万円、中央値が26万円。つまり全体を平均すると212万円となるものの、分布を見ると実際には26万円ほどの金融資産しかない人が多い結果となりました。

さらに調査では、金融資産を「非保有」(つまり貯金なし)と回答した人が、20歳代では33.3%に上る結果となりました。20歳代全体の3分の1程度の人が、貯金をしていないということになります。

20歳代で金融資産がゼロという状況は、不思議なことでも、問題視しなければならないことでもありません。とくに20代前半は、社会人生活をスタートさせ、がむしゃらに働く時期です。自分の生活にいくらお金がかかるのか、将来のためにいくら残せば良いのかを考える余裕すらない人も多いのではないでしょうか。

ただ、25歳を過ぎて少し仕事に慣れてきたら、将来に向けた貯金計画を立てるのがおすすめです。計画を立て、貯金しなければならない金額を決めることで、毎月使える金額を把握でき、安心感に繋がります。

理想の貯金額を設定する方法

貯金の基本は、毎月決まった金額を収入から取り分けることです。貯金目標の立て方や、ライフイベントを見据えた貯金計画について解説します。

毎月の貯金目標の立て方

最初から高い理想を持って貯金額を設定すると、挫折に繋がります。無理のない貯金方法として、手取り収入の10~20%を目安にするのが良いとされています。手取りが20万円であれば2万~4万円を、25万円であれば2万5千~5万円を、将来のために貯金します。

ところで家賃は、手取り収入の3割を目安にするのが良いとされています。家賃の3割と、預貯金の2割を足すと5割になります。ざっくり考えて、収入の半分を家賃以外の生活費に使えると捉えれば家計管理が楽になります。

ライフイベントを見据えた貯金計画

無理のない貯金額を知るとともに、将来のライフイベントのためにいくら貯めれば良いのかを知るのも大切です。結婚や子育て、老後にかかる金額を知っておくと、さらに財布の紐が固くなります。

今後の物価変動により、目標となる金額がかなり変わってしまう可能性はあります。それを踏まえつつ、現代においてどんなライフイベントにいくらかかるのかを知っておくのが大事です。

結婚資金の目安は、400万円前後(婚約、挙式、披露宴含む)とされています。ただし、両家の両親から援助してもらう人も多いようです。

子育て資金の目安は、大学修了までで1人あたり3,000万円程度(養育費・教育費含む)とされています。児童手当を利用するほか、実家からの援助や教育ローンを利用する人もいます。

老後に必要な費用の目安は、夫婦2人暮らしで1,000万~1,500万円程度とされています。公的年金の他にこれだけ必要です。

いずれも1人で貯金を担うわけではなく、結婚相手となる人とともに貯える必要があります。

貯金を増やすための具体的な方法

収入の10%ほどでも、「貯めるのが難しい」と考える人はかなりいるでしょう。先述した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産非保有者、つまり貯金の全くない人は全年代を総合して26.9%もいるためです。しかし将来のために、コツコツとできるだけ貯金を殖やしましょう。具体的な貯金方法をご紹介します。

固定費の見直し

節約のためには、食費などの変動費ではなく、家賃やライフラインなどの固定費を見直すのが近道です。自分の収入に家賃が見合っていないようなら、更新のタイミングなどで引っ越しを考えましょう。また、キャリアのスマホから格安スマホにする、保険を安いものに掛け替えるなどして、固定費を見直します。ちなみに20歳代で結婚していない場合、掛け捨ての保険で十分です。

とくに注目してほしいのが、使っていないサブスクリプションサービスの存在です。入会したままで利用せず、毎月お金だけが消えていくサブスクはありませんか。面倒がらずに解約しましょう。

天引きスタイルで無意識に貯金を

家計簿をコツコツつけるという手もありますが、挫折してしまう可能性も高いものです。月にいくら貯金するかをあらかじめ決めてしまい、収入があったら即座に取り分けるスタイルが安心です。

最も身近で、手続きが簡単なのが積立預金です。毎月決まった金額を定期的に積み立てるため、気づけばお金が貯まっています。給与を受け取る口座と同じ金融機関で始めるのが手軽です。

個人年金や投資で一歩先行く資金保有

定期的な積立方法は、積立預金の他にもあります。例えば私的年金の活用です。代表的なのがiDeCoで、毎月決まった金額を老後のために積み立てることができ、積立金や運用益が税制的に優遇されます。

ただし私的年金制度は基本的に、「老後」(60歳代~)にならなければ支給が始まりません。つまり若いうちにまとまった金額が必要になったとき簡単に引き出せないため、結婚資金や子育て資金は別に貯金する必要があります。

また最近では、老後の資金確保のために個人投資の必要性が呼びかけられています。20歳代から毎月一定金額を投資に使うことで、金融資産の増やし方を勉強できます。初心者向けの投資方法として近年注目が高まっているのがNISAで、投資収益に税金がかかりません。

ただし、投資には元本割れのリスクがあります。あくまで余剰金で始めるのが原則です。

同世代の貯金意識、貯金成功のコツは?

25歳の方が含まれるZ世代の貯金意識として特徴的なのは、自身の老後を意識して資金準備をする人が多いようです。人生100年時代と言われているなか、早期から老後の準備を始めようと考えている人が多いのは頷けます。

働けなくなったときのためにしっかり貯蓄するのは大事ですが、若い頃からの貯蓄については、気をつけなければならない点もあります。以下の3点を心がけましょう。

収入アップのための投資にチャレンジしたい

25歳という年齢は、自分への投資が必要な時期でもあります。気力体力が充実しており、子育てや介護が本格的には始まらない20代にこそ、様々なチャレンジや学びが可能であり、それらの投資が将来の収入増加に直結するためです。

老後を恐れるあまり、必要な勉強もできないほどの倹約に我が身を追い込んでは本末転倒といえるでしょう。収入の10%から20%を貯金するのが目標なのですから、収入が増えれば貯金もその分増えます。「これを取得すれば確実に収入が増える」と確信する資格、「独立したい」といった夢のための勉強などには、しっかりお金をかけましょう。

食費を切り詰めるのは避ける

とくに食費を切り詰めてしまうと健康を損ねる可能性があります。体を壊し、医療費がかかってしまっては、これまた本末転倒です。若い頃の過激なダイエットや栄養不足が、年齢を重ねるにつれて体調不良として出てくる可能性もあります。

食費を節約するなら、栄養を確保することを最優先に考えましょう。外食を自炊にする、昼食を弁当持参にするといった節約方法がおすすめです。

「貯金」に意識をとわられすぎない

先述したような先取り貯金で、日常的に「貯める」を意識することなく積み立てていくのが成功のコツです。「節約しなければ」という意識が常にあるとストレスに繋がり、貯金が長続きしなくなるおそれがあります。

とくに20代からの貯金は、誘惑との長い戦いになります。自動で積み立てられる仕組みを利用して、「貯金」のことをなるべく忘れましょう。

以上のように、貯金だけでなく自分の将来、健康面も考え、バランスの取れた家計を心がけましょう。また、結婚資金や子育て資金、老後資金は自分一人で全てを賄えるわけではありません。パートナーや、特に子育て資金については両親を上手に頼り、無理なくライフイベントを乗り切るのが大事です。

将来への備えと貯金の意義

25歳という若いうちから貯金を始めることで、様々なメリットがあります。仮に25歳から毎月5万円ずつ貯金すれば、65歳の定年までに2,400万円の貯蓄ができることになります。貯金があることで、将来どのような嬉しいことがもたらされるかをご紹介します。

緊急時の備えができる

急なケガや病気で休職したり、仕事を辞めざるを得なくなったりする可能性は、誰にでもあります。いざというときにまとまった金額の貯金があれば、辛い状況でも安心することができます。

人生の選択肢が広がる

ときには「仕事を辞めたい」「転職したい」と悩むときもあるでしょう。そんなときに貯金がないと、思い切ったチャレンジができなくなってしまいます。たった一度きりの人生を後悔のないものにしないために、貯金はあなたの背中を強く押してくれます。

お金を増やす投資にチャレンジしやすくなる

手持ちのお金を増やす投資は、貯金が十分にないとチャレンジできません。生活に必要なお金を投資につぎ込んでしまうと、元本割れしたときに家計が立ちゆかなくなってしまうためです。

まとまった金額の貯金があれば、その一部を投資にまわすことで、心にゆとりを持って資産形成ができます。貯金をした上で生まれる余剰金を投資にまわすことも可能です。

余裕を持って人生を楽しめる

貯金目標を持たず「とにかく切り詰めないと」と考えて貯金していては、お金は貯まるかもしれませんが、必要最低限の生活しかできません。それは、豊かな生活と言えるでしょうか。

「これだけ貯金すれば大丈夫」という金額が決まっていることで、余剰金を自分の趣味や娯楽、自己投資のための勉強に費やすことが可能になります。若い頃にはそれらを楽しみ、経験を吸収する体力と気力が十分に備わっています。20代にしかできないことを、存分に楽しみましょう。

まとめ

25歳で貯金がないのは全く深刻なことではありません。しかしこの年齢で一念発起し貯金を始めれば、大きな資産を築くことも夢ではありません。将来への不安を払拭するためにも、今日これから、できる範囲で貯金を始めましょう。

奥山晶子

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ファイナンシャルプランナー2級の終活関連に強いライター。冠婚葬祭互助会勤務の後、出版業界へ。2008年より葬儀・墓・介護など終活関連のライター業務を始める。終活業界や終活経験者へのインタビュー経験多数。近著に『ゆる終活のための親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある。
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