2025年11月5日
暮らし
【FP解説】実家暮らし家に入れるお金の目安とは?親子で納得する金額と管理法

実家暮らしの社会人が親に入れるお金の平均額は、手取りの1.5から2割が目安とされます。しかし、家庭によって事情が違うため、水道光熱費などの生活費負担や貯金とのバランスをどう取るか、家族とともに相談しながら金額を決めなければなりません。本記事では、家に入れる金額の決め方を、調査データを参照しながら解説します。親子で納得する金額の決め方に悩んでいる人は、ぜひご一読ください。

実家暮らしの家に入れるお金の相場と平均額

実家で暮らす社会人が、親に毎月いくらお金を入れているかは、収入や生活環境、家の方針などによって違ってきます。しかし、平均的な金額はあるため、いくら入れるか迷ったら参考にすると良いでしょう。まずは平均的とされる金額や、そのお金の具体的な使い道などについて解説します。

年齢別の平均的な金額

2023年にモデル百貨が行った調査によると、実家暮らし500人の「家に入れる平均的な金額」は5万4,009円でした。年代別の平均額を見ると、20代で3万3,232円、30代で4万1,750円、40代で5万9,131円という結果になっています。

ただ、同じ調査の中で、家にお金を入れている実家暮らしの人は61%ほどであることも分かっています。家にお金を入れていない人も、一定数いるということです。

家に入れるお金の具体的な使い道

家に入れるお金は、食費や光熱費、水道代などの日用品負担にあてられるのが一般的です。家賃がある場合は、家賃に充当させることもあります。

なかには、子どもから生活費をもらう必要がない家庭もあります。その場合、子どもが実家に入れるお金は、将来のために貯金をしてくれることが多いです。

実家暮らしのメリットと家計負担のバランス

実家暮らしの最大のメリットは、家賃、光熱費、食費などの生活費を大幅に削減できることです。賃貸マンションの家賃は年々高騰しており、2025年5月には、単身者向け物件の平均募集家賃価格が初めて10万円を超えました。この金額だけでも、家に入れるお金を大幅に超えていると思う人は多いです。

ただし、家計負担のバランスは、自分の収入、親の収入、貯蓄計画などによっても変わってきます。実家に入れるお金は自分の判断だけで決めるべきではなく、家族みんなで話し合って決めるのが理想的です。

参考:賃貸マンション平均家賃、初の10万円超え 東京23区5月単身者向け(2025年6月24日 日経WEB)

家に入れるお金の決め方と親子間の話し合い

どのように話し合って家に入れるお金を決めるべきかと迷っている人のために、金額を決める際に考慮すべきポイントや、親とのコミュニケーションのコツをお伝えします。

金額を決める際に考慮すべきポイント

まずは「自分が実家で生きていく上でかかっているお金」を見える化しましょう。そのためには、親の協力が不可欠です。次の項目を参考に、毎月かかっている金額の目安を教えてもらいます。

  • 家賃
  • 水道代
  • 電気代
  • ガス代
  • インターネット料金
  • 日用品費(共有して使うトイレットペーパーやシャンプーなど)
  • 車の維持費(実家の車を使用している場合)

総額を家族の人数で割って、自分の分を支払うこととするのが最も単純な方法ですが、それでは負担が大きすぎたり、家の事情からすれば少なすぎたりします。1人あたりの生活費はあくまで目安として考え、話し合うための材料にします。

収入や生活費とのバランスの取り方

次に、自分の収入と、毎月必ず出ていくお金、そして「将来のために貯めたいお金」を見える化します。毎月必ず出ていくお金には、例えば次のようなものがあります。

  • スマホ代
  • サブスク費用
  • ランチ代
  • 交通費
  • 交際費
  • 服飾費
  • 美容院代
  • 趣味・娯楽費
  • 保険料

収入からこれらの金額を引いて、かつ「将来のため、毎月これだけは貯めたい金額」も引いた金額が、実家に渡せるお金の最高額です。無理のない範囲で実家にお金を入れられるよう、最初に綿密なシミュレーションを行いましょう。

なお、ボーナスの存在も忘れてはなりません。「毎月これしか残らないのか、余裕がないな・・・」とストレスを感じたら、ボーナスはある程度自由に使える設計にすると、心理的な負担を減らせます。

トラブルを防ぐコミュニケーションのコツ

お金の問題は、親子間といえども繊細な話題です。肝心なのは、曖昧なまま話を終わらせず、「なぜこの金額なのか」を丁寧に説明することです。このプレゼンに、さきほどの「見える化」が活きてきます。

実家の家計を見せてもらい、自分自身の収入や必要経費も明示しましょう。家族全体でお金の流れを把握することにより、実家に入れる金額が決まりやすくなります。また、「将来のために毎月貯めたい金額」をどう設定するか迷っているなら、家族にアドバイスをもらうのもいいでしょう。

家計管理と貯金の両立方法

限られた収入の中で親に生活費を入れ、自分自身の必要経費を支払った上で十分に貯金をするのは、なかなか難しいことです。ここでは、家計管理と貯金を両立させるための具体的な方法を紹介します。

家にお金を入れつつ貯金も続ける工夫

毎月「余った金額を貯金する」と考えていては、なかなかお金が貯まりません。おすすめなのは、先取り貯金です。収入が入ったら、その日のうちに定額を貯金へまわしてしまうのです。先取り貯金には、給与が入る口座から積立預金へ、毎月自動的に振り替える方法と、積立機能がついた保険を契約する方法の2通りがあります。積立機能がついた保険には、貯蓄型の終身保険、養老保険、個人年金保険などがあります。

固定費や生活費の見直しポイント

自分にとって必要な出費を減らしたいと考えたら、固定費から見直してみましょう。スマホのプランを変更する、使っていないサブスクを解約するなどを検討し、次にランチを週に何回かはお弁当にする、髪のカラーリングを何ヶ月かに1回はホームケアにするなど、無理のない範囲で節約を始めます。

交際費や趣味・娯楽費は、一番の節約どころのように見えるものの、心の健康を維持することに繋がる大事な費用です。「趣味を続けるために実家暮らしを選んだ」という人もいます。積極的にはメスを入れず、しかし家計の赤字が深刻な場合は少しずつ減らす努力をしましょう。

将来に向けた資金計画の立て方

例えば20代の方が「老後に向けて○○万円貯めましょう」などと言われても、あまりピンとこないでしょう。老後はかなり遠い将来の話だからです。それに、今後結婚するか、独身のままか、家を出るか、実家のままかなど、生き方によっても必要な金額は変わってきます。

資金計画が漠然としているときは、「5年後までに」「○歳までに」など、近い将来をひとまずのゴールに設定して、貯金金額を決めましょう。

例えば「2年後に1人暮らしを始める」と目標を設定すれば、マンションの家賃や敷金、礼金、好みの家具を揃えるための費用を調べると必要な貯金額が分かります。「将来結婚することになっても困らないよう、結婚資金を貯めよう」と思ったら、結婚にかかる費用を調べれば目標額を設定できます。

貯金目標を達成できると、「自分はお金を貯めることができる」と自信がつきます。その調子で次の目標を設定し、資金をコツコツ作っていきましょう。

まとめ

実家暮らしは、家計を支え合いながら将来の準備を進めるチャンスです。無理なく家に入れる金額を見極めつつ、自分の人生設計も忘れてはいけません。まずは家族との信頼関係を築く一歩として、話し合いから始めてみてはいかがでしょうか。

奥山晶子

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ファイナンシャルプランナー2級の終活関連に強いライター。冠婚葬祭互助会勤務の後、出版業界へ。2008年より葬儀・墓・介護など終活関連のライター業務を始める。終活業界や終活経験者へのインタビュー経験多数。近著に『ゆる終活のための親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある。
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